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2019年3月18日 : ただ自然に
 私たちは「ただ自然に」生きていれば、本来は、健康で自由で平和な生き方ができるのですが、悲しいかな、私たちの体の細胞には「不自然な」ものが多分に含まれています。以前も紹介しましたが、PATMという病気があります。石油化学物質が体に染み込み、ベンゼンやトルエンなどの石油化学物質の臭いが体から出ているというのがPATMという病気です。
 私たちは「ただ自然に」生きることがとても難しくなってしまった時代に生を受けています。もちろん、自然という解釈には様々あります。石油だって地下深くに眠っていた太古の動物の死骸ですから、自然という解釈を広げれば自然であるといえなくもありません。しかし、石油を私たちの肌に直接塗れば、私たちの細胞はガン化します。植物の油を塗っても私たちの細胞はガン化しませんが、石油ではガン化する。そんなシロモノを食品に使ったり、洗濯や衣料品、化粧品や香水などに使っているのです。口や鼻、肌を通して私たちは石油化学物質に晒されているのです。そんな時代が、明治からはじまる近代化であり、戦後日本が歩んできた工業国としての負の一面であったのです。
 そう考えると生命力(生理学的には免疫力)を高めるものが自然で、低下させるものが不自然と言っていいのではないでしょうか。
 PATMを発症していなくとも、私たちの体には石油化学物質が少なからず溜まっています。アレルギーや化学物質過敏症、糖尿病やガンなども大きく見れば石油化学物質の害といえます。これらでできた細胞を排毒させることが、現代では差し迫って一番重要なことだと、私は食養指導を通して強く感じるのです。
 体に溜まったこれらの毒素は、有難いかな、私たちの心身に様々な病気として表出させます。これらを私たちは排毒反応と言っています。体が痛くなったり、熱を持ったり、または逆に冷えたりします。これからの季節、花粉症が多くなりますが、鼻水や目のかゆみも、排毒反応です。心の面を見れば、自己中心的でワガママになったり、自己保身が過ぎて排他的になったりします。体においても心においても、周りの人を不愉快にするのが、排毒反応です。
 桜沢如一の健康の七大条件の一つに「万事スマート」というのがあります。体に毒素が溜まっていたら、決して実現できるものではありません。
 不自然なシロモノが体に溜まった現代人が「ただ自然に」生きようとすると、有難いかな、様々な排毒反応を経験させてくれます。これらの経験は心身を浄化させて、私たちの本来の生命力を湧きあがらせてくれます。人間本来の生命力は自分と他人の区別ない、自他ともに喜びあい、高めあう、それを自然に分かち合える命であるのです。貶めあったり、蔑みあうのは、体内の毒素を排泄しようとする排毒反応としての心理であるのです。貶めあったり、蔑みあったりすれば、必ず当事者に難しさが降りかかりますから、まさに難あり有難く、試練を経験させてくれるのです。そんな生き方が、現代のマクロビオティックです。
 平成の時代は、昭和に輪をかけて、毒素がより一層溜まった時代でした。しかし、平成の後半は、それらの浄化も少しずつではありますが目が向けられるようになってきました。平成の次の時代は、浄化にますます拍車がかからなければ、決して大げさなことでなく、人類の存続も危ぶまれるように感じています。排毒の時代をいかにオモシロ楽しく歩んでいくか。それもまた、マクロビオティックのひとつのアソビではないかと考えています。
2019年1月31日 : 平成は脳疲労と腸疲労の時代
 ひと月遅れて今年最初のブログです。今年もどうぞよろしくお願い致します。
 平成も残すところ三カ月余り。いよいよ今年は新しい時代への仕切り直しの時となりそうです。
 平成の三十年は様々なことがありました。大きな変化の1つが情報革命だったと思います。インターネットの普及で多くの人がもの凄い量の情報を瞬時に得ることが可能になりました。「念ずれば通ず」と云われますが、現代は「スマホれば通ず」といった方がいいかもしれません。しかし、スマホで本当に通じているかというと、感情を伝えることはなかなか至難な所もあり、いくらスマホ時代といっても、人と人が心底通じ合うというのはいつの世でもそう簡単なことではないようです。
 それより何より、情報革命は私たちの脳に情報洪水を引き起こしました。私などは、ダレよりも自分の脳のキャパ(許容量)が少ないのをわかっていますから、過剰な情報は入れないことに徹しています。本当に心身が欲するところの情報をしっかり頭と体に刻み込むことの方がいかに有益かは、多くの先人が伝えるところであり、私自身も身につまされて納得するところです。
 脳はこの情報洪水を真面目にもせっせと処理しようと頑張りますから、その結果として脳疲労を引き起こしてしまうのです。一時的な脳疲労であれば、寝て起きれば疲労が取れるのですが、慢性的な脳疲労になると、まずは食が乱れます。どんな食べ物であっても、食べることそのものが一時的に脳の疲労が取れたような錯覚を起こさせます。脳疲労時の多くの場合、白砂糖や人工甘味料、人工的な添加物にさらされた食品を摂ることが一般的です。さらに、そのような食品はゆっくりよく噛んで食べるものはなく、サッと口を通って胃と腸に入るものばかりですから、結果、飽食となって脳疲労から腸疲労へと転移していくのです。更にさらに、睡眠薬や精神薬などのクスリに頼るようになると、脳疲労を改善するのではなく、疲れを無かったことにしてしまいます。疲労がとれぬまま、食と生活を変えずに、今までの脳疲労と腸疲労を勃発させた生き方を続けていきますから体の細胞は悲鳴を上げます。これが細胞疲労です。
 現代人は細胞から疲れています。まずは脳疲労と腸疲労を改善することです。その「はじめ」に断食があることは、このコラムを継続して読んでいてくれている人には、文中よりわかっていることです。筋肉が疲労したならば休ませれば回復するように、腸が疲労したならば、断食をすれば腸は回復してくるのです。腸と脳は一蓮托生です。腸の疲労が取れると不思議と脳の疲労が取れてきます。そして、脳を休ませれば腸の疲労回復は早まりますから、情報を断つことは疲労回復に相乗効果があります。
 断食中は胃腸だけでなく頭を休めることがとても重要であるのです。
 平成は多くの人々の疲労が蓄積した三十年でした。日本人の多くが背伸びをしてきたのが平成でした。次の世も、多くの人々の想い描く時代が到来します。私たちにとって必要な道が用意されています。さあ、それはどんな時代か? もう間もなくその扉が開きます。
2018年12月17日 : 半断食の体験と効用
 先日、和道の食養合宿(半断食)に参加いただいた方の感想です。とても意義深い感想なので全文を載せさせていただき、解説したいとおもいます。
・・・・・・・・・・参加者からの感想・・・・・・・・・・・・・・
 約一年前に半断食に参加して以来、2回目の参加です。
 昨年の半断食をきっかけに、これまで仕事中に毎日チョコレートやスナック菓子を食べていたのを、ほとんどやめることができました。我慢しているということではなく、無くても大丈夫、それほど食べたいと思わなくなりました。
 他に、お酒を週6日間飲んでいたのが、週2回に減り、さらに1回あたりの量も減りました。
 普段の食事も、肉や魚はゼロではありませんが、野菜中心になりました。体重が約5キロ減って、それをキープし続けています。一時的に体重が増えることもありますが、簡単に戻るようになってきました。
 自分の食事に対する考え方が変わってきました。そして、その延長線上に体質が変わってきたことを実感しています。
夜、寝る前に瞑想も行うようになって、睡眠の質が良くなりました。深い睡眠ができていると感じています。精神的にイライラすることが減ったり、イライラしても切り替えが早くなるなど、合宿をキッカケにいろいろ変わることが出てきました。
 今回は、前回の半断食と比べて、3日目に頭痛、だるさ等の排毒反応が出ました。
教えてもらったことを改めて生活に取り入れることで、どんな変化が出るか楽しみです。(東京都在住40代男性)
・・・・・・・・・・・ 解 説 ・・・・・・・・・・・・
 断食や半断食を経験するとまずは口腔内をはじめ腸を中心とする消化管が変化します。私たちの嗜好は腸内環境に大きく左右されています。断食や半断食は腸を入れ替えるのにものすごいハタラキをしているのです。特に、和道での半断食は玄米がゆを徹底してよく噛みます。噛むことで唾液がよく出るようになります。唾液は細胞を修復する力を持っていますから、唾液の力との相乗効果で、腸内環境を改善させるのです。
 舌にある味を感じる器官・味蕾(みらい)も玄米がゆをよく噛むことで活性化します。味覚が敏感になりますから、チョコレートやスナック菓子などの濃厚な味は強すぎて、体に合わないものだという正常な感性が働くようになるのです。
 腸には神経細胞が脳に次いで多いと云われます。神経細胞は記憶する細胞です。悪循環の食と生活スタイルを良循環へ方向転換するチカラが断食や半断食にはあるのです。よく噛むことはそのものが瞑想になります。瞑想の習慣がついたこともこの方がよりよい方向に歩み出しているのかが伺えます。
 断食や半断食は定期的に行うことで、毒素を出しやすい(溜め込みにくい)身体になっていきます。最初の半断食では体感しなかった排毒反応が二回目の半断食で感じることができるようになったのも、毒素を排泄しやすい身体になってきている証です。

半断食の効用
 和道で行っている半断食は玄米がゆを徹底して噛むことからはじまります。最初の一口は200回、二口目からは100回ずつ噛んでいきます。お粥は、それほど噛まずに食べられるものですが、そのお粥を、あえてシッカリと噛むことが重要なのです。普通に炊いた玄米ご飯をよく噛むよりもお粥をよく噛んだ方が唾液がたくさん出てきます。お粥の水分が「呼び水」となって唾液を湧出させるのです。
 唾液の量は健康の指標になります。活動、活躍、活き活き、に使われる「活」はサンズイに舌と書きます。口の中が潤っている状態が「活」です。
 唾液は外分泌といわれ、内分泌(ホルモン)と相関関係にあります。唾液もホルモンも血液から分化したものであるのです。お粥を噛んで唾液量が増えてくると、おのずからホルモンも充実してきます。
 噛むは神業と食養では云われます。噛むことは唾液量を増やし、腸をキレイにして血液を浄化します。
 半断食で玄米がゆを徹底して噛むと唾液量が飛躍的に増えます。唾液量が増えるのと並行して、胃腸のハタラキも高まります。小腸の代謝は24時間と云われます。丸一日で小腸の上皮細胞は生まれ変わるのです。ちなみに皮膚は約1か月(最新では42日という説もあります)と云われますから、極言すれば小腸内には皮膚から出るアカの約28倍(~42倍)出ていると考えられます。だからこそ、小腸の活動は活発的で、古くなった便をためずに排泄していきます。
 唾液は血液の分化したものですから、弱アルカリ性です。私たちの腸内も弱アルカリ性でバランスをとっています。唾液をたくさん出すことは、恒常性(ホメオスタシス)を高めます。ですから、体に溜った毒素(動物性食品や添加物と一緒に取り込まれた石油化学物質)を排泄する力を唾液が促してくれるのです。
 20年近く食養指導をしていると、ときどき、「先生、私の病気を治してください」という人が来られます。実際に言葉に出さなくても、そう考えたり思っている人も少なくありません。先日もフェイスブックのメッセージに「先生は私の病気を治してくれる人です」と書き込みがありました。
 その方へも返信しましたが、「病気を治すのは自然治癒力です。自分の持つ自然と繋がった力が病気を治すのです。私はその導きのお手伝いをするだけなのです」
 依存心や依頼心というものは自然治癒力の発動を邪魔させます。「治してもらう」という姿勢でなく、自ら治す姿勢こそが自然治癒力を高めます。その根本に「噛む」ことがあります。咀嚼は人に代わってやってあげることはできません。
 和道では半断食以外にも体質と体調にあった合宿やイベントを行っていますが、玄米がゆを徹底して噛む半断食が体質改善、心身の改善の要になるものだと改めて感じる今日この頃です。
2018年10月7日 : ガンを克服する
 日本人の国民病になっているガン。庶民的生活をしていると誰でもガンになってしまうという現代の日本。これは本当に大きな問題です。
 庶民という響きには、平凡だからこそありふれた幸せがたくさんあって、幸せのひとつに健康長寿もある、そんなイメージを持てる、それが国としての本来のありかたでないかとおもうのです。ところが実際は庶民的生活をしていると誰でもガンになってしまうのですから、スグにでも庶民の食と生活を改めることが、政治の一番の務めであるのです。
 マクロビオティックは身土不二と一物全体を基本とした、世界の伝統に根差した食を中心とする生活法です。本来はダレでも実践できる食と生活法であるのですが、自然から乖離した農業が一般的になった現代では、本当に難しい食事になってしまっているというのが実情です。健康長寿の国を目指すのにマクロビオティックは欠かせないのですが、その食を実現するのに最も大事なことが自然な農業を再興することです。
 私たち一人ひとりは自然な農業から育まれた食物をいただくことが大きな革命につながる小さな行為であるのです。
 マクロビオティックが普及すれば必ずガンは減ってきます。二人に一人から三人に一人、四人に一人と徐々にそして確実に減ってきます。
 私はマクロビオティックの普及に関わり二十数年、縁あって多くの人の食生活改善に関わらせていただいています。マクロビオティックを実践する人は、現代一般の人に比べてガンに罹る率はずっと少ない。何パーセントと統計を取っていないのでわかりませんが、10パーセント以下であることは間違いないだろうとおもいます。しかし、ゼロではない。
 マクロビオティックを実践していて何故ガンに罹ってしまうのか?よく聞かれる質問です。
 ガンは、本来からだに入れてはいけない化学物質が蓄積し発症する病です。化学物質は生活の細部にわたって私たちの身の回りにありますが、最も大きなものが肉食から取り込まれる化学物質です。マクロビオティックを実践する以前に取り込んだ化学物質を上手に排毒排泄できないと、マクロビオティックを実践していてもガンになる場合があります。もちろん、マクロビオティックそのものの実践で身体はある程度キレイになるのですが、そのマクロビオティックの食事が陽性すぎたり、生活法としてのマクロビオティックが疎かであったりする場合が多いのです。生活法としてのマクロビオティックというのは、簡単に言えば掃除です。掃除が疎かであれば、私たちの体は本当の意味ではキレイになりません。掃除というのは、もちろん日々の家の掃除が基本になりますが、定期的な断食が塩断ちも体の掃除に含まれるのです。
 断食と塩断ちを年に数回でも断続的に行っているとガンに罹る率がさらにグッと下がります。いつかは今までの経験を数値に出して公表したいと思っていますが、断食と塩断ちを年数回でも習慣化した人の健康度は日々の食養だけの人に比べてものすごく高いのです。実際に、マクロビオティックを実践しながらもガンで亡くなった人を見ていると、断食と塩断ちができていなかった人が圧倒的に多いのです。
 断食と塩断ちも自然な農業と同じく、昔からの伝統的な生活法です。宗教は本来、昔からの健康長寿法を子孫に伝える役目としてあります。世界の伝統的宗教にはすべて断食があります。そして、塩断ちも日本の古来宗教・神道の行法のひとつであるのです。
 断食と塩断ちを国民運動として実践し、自然な農業があたりまえの農業となれば、ガンに罹る人はいなくなるとおもっています。
2018年9月25日 : 日本人とガン
 漫画ちびまる子ちゃんの作者、さくらももこさんがお亡くなりになりました。享年53。死因は乳がんだったようです。
 ちびまる子ちゃんはサザエさんに次ぐ国民的アニメです。老若男女、多くの人が知っている日本の代表的アニメのひとつと言っていいでしょう。それも、庶民感覚がリアルで、日本人の平均的な生活を面白おかしく描いています。時にシニカルに、冷笑の中に温かみのあるタッチが特徴のアニメです。その作者のさくらももこさんが乳がんで亡くなったというのは、ある意味において、日本人が普通に生活していると誰でもガンに罹るということを暗に示しているような気がしてならないのです。
 ガンは日本人の死因の第一位です。二人に一人がガンになると言われています。現代は日本人の国民病がガンと言ってもいいでしょう。
 さくらももこさんは1965年生まれ。昭和40年の生まれですから、高度経済成長が加速度的に進む時期に幼少期を過ごしています。ちびまる子ちゃんはさくらももこさんの子ども時代を投影して描かれていると云われます。高度経済成長期は庶民の生活、衣食住すべてにおいて、化学物質がものすごい勢いで入り出した時代でもあります。食においては欧米化した食生活が庶民のものとなっていくのはあまりに有名ですが、欧米化の食生活を下支えしたのが畜産業です。一般的な畜産業は、成長ホルモン剤や抗生物質などの化学物質がなくては成立しない農業なのです。ホルモン剤や抗生物質などの化学物質がなくては、安易に肉食はできないのです。
 必然、それらの食から私たちの体に化学物質も取り込まれます。実はガンという病は、これらの化学物質を排泄しようという体の浄化作用として表出していると、自然医学では考えているのです。ガンが私たちの体を蝕もうとしているのではなく、からだを浄化しようとしてくれているのがガンなのです。ですから、死因の第一がガンになっていますが、ガンそのもので人は死ぬのではありません。ガンの排毒症状に私たちの体力がついていかずに、多臓器不全になって人は死んでいくのです。
 ガンの排毒症状をうまく乗り切り、高度経済成長期以前の日本人が持っていた体の細胞を身に着けたならば、末期がんであっても、がんを克服することができるのです。
 ガンは体質改善を私たちに警告する自然治癒力そのものであるのです。社会や文明を大きく見れば、ガンは人類に生き方革命を促す、自然からの警鐘とも云っていいでしょう。私たちはガンを目前として生き方そのものが問われているのです。
 これからさらに有名人のガンによる死が公然となってきます。
 人類の気づきにはある到達点があります。多くの人がガンと食、ガンと生き方に共通点を見出し、ガンと肉食、ガンと化学物質に焦点が当たるようになれば、そこから社会は少しずつ変化していきます。むしろ、すでに社会は変化のただなかにあります。
 さくらももこさんのご冥福をお祈り申し上げるとともに、日本人の庶民生活の延長上にガンがあるという事実を認識し、社会がよりよく変化していく決意を改めて強くしたさくらももこさんの死であったことをお伝えしたいのです。