新型コロナウイルスと断食

 日本人の平均体温が戦後急激に下がったといわれます。
 1957年には36.89度、2008年には36.14度という調査があるようです。わたしの道場(マクロビオティック和道)でも合宿や研修に参加される方すべてに体温を計ってもらっていますが、来られた初日には平均35.98です。
 道場へは持病があり体質改善を目的に来られる方が多いので、現代の日本人の平均体温より低いのですが、平均的な日本人の体温も、もはや健康的とはいえないレベルにあります。
 ちなみに道場での研修を終えるとたった数日でも平均的に36.3~36.5まで体温が上がるのです(2017年の調査)。これは断食と温熱の手当て、そして運動と呼吸、さらには回復食における食事が体温を上げている大きな証拠になっていると考えています。
 新型コロナウイルスの報道に拍車がかかっています。世界七大陸のうち、南極を除いた六大陸に新型コロナウイルスが上陸したというのです。私は未だに新型コロナウイルスに罹った人の手当てをさせてもらっていないので、その実態は把握していませんが、報道からの情報だと、新型コロナウイルスで亡くなった人たちは何らかの持病を持った人たちだというのです。
 新型コロナウイルスよりも、現在はインフルエンザウイルスで亡くなる人の方がずっと多いといわれていますが、インフルエンザウイルスでも同じように何らかの持病があって免疫力が落ちている人が重症化しているのです。
 病原菌といわれる、結核、ペスト、コレラ、赤痢などは抗生物質の登場で劇的に減少し、今では罹る人は少なくなったといわれます。しかし、これらの菌は抗生物質への耐性を獲得した耐性菌へと変化し、私たちに再度襲い掛かってきているというのです。
 新型コロナウイルスも、何らかのウイルスの変容した姿ではないかと私は考えています。
 病原菌と抗生物質の関係と同じように、ウイルスも抗ウイルス薬で死滅させたとしても、いずれ耐性を獲得したウイルスが出現するのです。悪者探しをする現代医療では、病気を真に克服することはできません。
 私たちの命の実態は、共存と調和です。共存し、調和してはじめて、共栄することができます。
 医療だけでなく、悪者探しの社会では、共に栄えることは難しい。
 ウイルスと共存できる日本人の体温は、平熱で37度弱になるでしょう。ウイルスを怖い怖いと避けて暮らすのではなく、ウイルスと共存できるような体を造っていくことが一番大事なのです。
 世界的に各国の政府が国民に自粛要請を出していますが、自粛よりも免疫を上げる取り組みを推奨する方が先ではないでしょか。自粛が心身の萎縮に繋がっては、かえって免疫力を落としてしまいます。
 先にも触れたようにしっかりした断食をすれば体温は数日で高まります。免疫力を上げる方法はたくさんあります。ウイルスの伝播よりも恐怖心の拡散の方が怖いものです。
 日々の食養生活と時々の断食は、免疫力を高め、生命力を向上させます。自分の中心軸が確固たるものになります。自らの中心軸ができるとウイルスや細菌と協和し調和することできます。その先に、人間同士、または自然と人間の共存共栄があるのです。 令和2年2月28日 磯貝昌寛