新型コロナウイルスと掃除

 新型コロナウイルスの影響で三月に入って早々、公立の小中高校が休みになったのは前代未聞の出来事です。3.11の東日本大震災の時でさえ、被災地は別にしても、全国でこれだけ長い休みを取ることはありませんでした。
 大人の心配をよそに、子どもたちは長期の春休みに大喜びです。
 災い転じて福となす、という諺がありますが、今回の新型コロナウイルスを福に転じるにはどうしたらよいか?
 私はどうしても食養的に考えてしまうのですが、外出自粛の出る騒ぎですから、家の中を徹底して掃除したらいいとおもうのです。もちろん家の外まで掃除をしたらなお良いでしょう。三月は掃除月間として、家の中を徹底して掃除したらいいのです。
 「身の回りがきれいになると身の内がきれいになる」ものです。掃除ほどいい運動はありません。
 マクロビオティックは食と掃除が二本柱です。
 多くの人や家庭を観させてもらっていると、掃除がおろそかになると人は病気になり、家庭は何らかの問題が出てきているのがよくわかります。企業でもそうです。掃除がおろそかになった会社や組織は多くの場合、経営困難に直面しています。不思議のようですが、本当の事実です。
 私は生き方には二つのタイプがあると考えています。創造と掃除です。新しいものを作り出していく人と、掃除をしてキレイさや機能を維持していく人。
 私たちの細胞も新しい細胞が作られながら、古いものが掃除されていきます。むしろ、古い細胞が掃除されることによって新しい細胞が生まれてくるのです。
 私たちの体は腸疲労からはじまり、脳疲労、細胞疲労の三重疲労が慢性化しています。社会に目を転じても制度疲労が極まりつつあります。
 時代は掃除を必要としています。今は掃除の時代です。
 心身を徹底して掃除するのは、身の回りを掃除することも大事ですが、やはり断食です。断食しながら身の回りを掃除したら、それこそ人生の大掃除になります。断食は体の掃除です。
 断食を国民運動にしなければ日本はもたない、と私は考えています。世界の伝統的な宗教にはすべて断食があります。
 21世紀に入って未曾有の出来事がいくつ訪れたかしれません。掃除の必要性を大自然はすでに警告していたのです。掃除ほど大切なものはありません。