脳を鍛えるというと、机に向かう勉強が思い浮かびます。もちろん、読み書きそろばん的な勉強も脳を鍛えるうえではものすごく大事なことです。しかし、現代人には脳を鍛えるうえで、「読み書きそろばん」よりもずっと大事なこととして「歩く」ことと「胃腸を休める」ことがあると思うのです。
現代人は疲れています。食養と断食の指導で多くの人と関わっていますが、腸疲労と脳疲労を抱えている人がいかに多いか。最近のコロナの影響でも、心を病む人がものすごく増えています。コロナ自粛が、萎縮に繋がり、心と体の閉塞感を強めているように感じます。
そのような状況下で、先日、和道ではウォーキングを中心とした食養合宿を開催しました。朝から夕方までずっと歩き続ける合宿です。自分のペースで「ただ歩く」のです。自分の体力に応じて歩けるところまで歩き続けます。長い距離を一人で歩き続けるのは大変ですが、仲間がいて話しながら歩くのはなかなか楽しいものです。「よい道づれがいれば、どんな道も遠くない」とドイツには格言があるようです。私たちは身の回りに、自分のペースと同じくらいのペースで歩く仲間がきっといるはずです。そんな仲間と、ただひたすら歩くのです。左右の足を順番に、一歩一歩踏み出していきます。
私たちの脳は左脳と右脳に分かれています。左右の足を交互に一歩ずつ踏み出すことで、自然と左右の脳が活性化していきます。自分のペースで歩くことが、脳への規則的な運動になっていきます。神経細胞はある一定のリズム運動が好きのようです。アスリートがルーティンと称して同じポーズや姿勢をとったりするのも、脳を活性化させています。歩くことそのものがリズム運動であり、ルーティンといえます。
スポーツ選手が辛くても競技を進めていけるのは、快感があるからだと思います。よい結果がでると脳から快楽物質が出るといわれますが、日々の練習でも繰り返し行うことで、脳は自然とリズム運動になって活性化しているのです。
先日のウォーキング合宿でも様々な方が来られました。ガンの方、脳に障がいをおった方、ダイエット目的の方、人間関係のストレスが溜まった方など、それぞれに様々な問題を抱えています。どんな問題であっても、歩けるならば、ただ歩くことが、これほど問題解消に役立つのかとあらためて驚いたのです。体のことであれ、心のことであれ、ただひたすら歩くうちに問題の捉える私たちの心が変わっているのです。歩くことで私たちの陰陽が変化するのです。
食養合宿としてのウォーキングですから、少食で臨みます。歩いて臓器を活性化させるだけでなく、半断食で胃腸を休めます。胃腸が休まると、それだけで体が軽くなりますが、断食を組み合わせることでさらに体が軽くなります。できる限り徹底して歩きますから、それだけ胃腸も刺激されて、古く滞っている大便や細胞のアカも落とされていきます。そして、不思議なことに、歩き続けていると、ある到達点に達するとランナーズハイならぬ、ウォーカーズハイといったらいいのか、何とも言えない幸福感に包まれます。脳の中の様々な快楽物資が歩き続けることで噴出したのではないかと感じたのです。
2021年10月
運命を開く断食
食養指導をはじめて10年ほど経った時です。マクロビオティックな生活を実践していて、より元気になっている人とそうでない人がいるのに気づきました。元気になる人とそうでない人、病気が改善される人と改善されない人、その違いはどこにあるのか?
その違いの一つは「断食や半断食」を取り入れているかどうかであると気づいたのです。
断食や半断食をじょうずに取り入れている人は、体質改善が進み、元気なのです。一万人近い人たちを食養指導してきて、断食や半断食を実践した人は、病気の経過もひじょうに順調なのです。
断食や半断食は古くて新しい生き方です。古(いにしえ)の人たちが私たちに残してくれた大切な習慣であったと思います。人生の転機に断食や半断食を取り入れることは大きな一歩になると思うのです。そして、マクロビオティックのひとつの実践が断食です。前書の『自然治癒力を高めるマクロビオティック基礎編―正食医学の理論と実際―』もお読みいただければ、理解がより深まると思います。
昨年夏に出版した『基礎編』は、早くもベトナムでの翻訳出版が決まりました。昨今では海外からも講演や食養指導の依頼が増えてきています(コロナで中断していますが)。マクロビオティックな生き方を歩む同志も全国各地、世界各国で増えているのです。私の所にもマクロビオティックな生き方を求めて若い人たちが数多く訪れます。若い世代にも断食や半断食の素晴らしさを継承し、時代に合った断食や半断食を残していきたいと強く思うのです。
これからの時代は、志を同じくする人たちと連携しあって、社会を変えていくことが重要だと思います。この変化をより良い方に向かわせるために断食や半断食があるのではないでしょうか。
断食や半断食を通して、食のありがたさを知るのです。感謝心というものが湧いてくるのです。そして、奇跡とも思える治癒例に遭遇すると、奢る心と蝕む体は、貪る食から湧いていたことを感じるのです。
断食や半断食を通して一人でも多くの人の人が好転していくことを願っています。
『自然治癒力を高めるマクロビオティック実践編―運命を開く断食―』あとがき、より
その違いの一つは「断食や半断食」を取り入れているかどうかであると気づいたのです。
断食や半断食をじょうずに取り入れている人は、体質改善が進み、元気なのです。一万人近い人たちを食養指導してきて、断食や半断食を実践した人は、病気の経過もひじょうに順調なのです。
断食や半断食は古くて新しい生き方です。古(いにしえ)の人たちが私たちに残してくれた大切な習慣であったと思います。人生の転機に断食や半断食を取り入れることは大きな一歩になると思うのです。そして、マクロビオティックのひとつの実践が断食です。前書の『自然治癒力を高めるマクロビオティック基礎編―正食医学の理論と実際―』もお読みいただければ、理解がより深まると思います。
昨年夏に出版した『基礎編』は、早くもベトナムでの翻訳出版が決まりました。昨今では海外からも講演や食養指導の依頼が増えてきています(コロナで中断していますが)。マクロビオティックな生き方を歩む同志も全国各地、世界各国で増えているのです。私の所にもマクロビオティックな生き方を求めて若い人たちが数多く訪れます。若い世代にも断食や半断食の素晴らしさを継承し、時代に合った断食や半断食を残していきたいと強く思うのです。
これからの時代は、志を同じくする人たちと連携しあって、社会を変えていくことが重要だと思います。この変化をより良い方に向かわせるために断食や半断食があるのではないでしょうか。
断食や半断食を通して、食のありがたさを知るのです。感謝心というものが湧いてくるのです。そして、奇跡とも思える治癒例に遭遇すると、奢る心と蝕む体は、貪る食から湧いていたことを感じるのです。
断食や半断食を通して一人でも多くの人の人が好転していくことを願っています。
『自然治癒力を高めるマクロビオティック実践編―運命を開く断食―』あとがき、より