現代人の多くは肝臓が悲鳴を上げています。
肝臓で毒素を消化分解できなくなってくると、肌が黒ずんだり、シミ、そばかす、吹き出物が増えてきます。毛穴が目立つのも肝臓の悲鳴から、心臓に負担のかかっていることを表します。常にイライラしていたり、焦燥感が強く、何かに追い立てられているような感覚で日々過ごすのも肝臓からの悲鳴です。
マクロビオティックでは玄米菜食が基本ですが、肝臓に問題のある人は玄米の食べ方を注意しなくてはなりません。圧力鍋で炊いた玄米を一日三食食べていると、副食との組み合わせ次第では、さらに肝臓に負荷をかけます。玄米のぬかの部分に脂肪分が豊富ですから、いくら良質な脂肪であっても「過ぎたれば及ばざるに危うし」です。
肝臓に問題のある人は、玄米に大麦を混ぜて土鍋で炊いたり、玄米に大根を入れて炊くのもよいです。玄米100%のご飯よりも麦入り玄米や大根入り玄米ごはんの方がおいしいようであれば、その方がよいでしょう。お粥にすればさらに肝臓の負担は減ります。
玄米そのものを「おいしく」感じない人は、分搗き米を主体に食べるのもよいでしょう。分搗き米にも押し麦や丸麦などの大麦を入れてもよいです。めん類を食べるのであれば、日本の伝統的な在来の地粉で作っためん類が一番です。海外のものであれば古代小麦のめん類がよいでしょう。
さらに肝臓が悲鳴をあげている人は、マクロビオティックの基本食ではなく、野菜を大量に摂る陽性向けの排毒食が合っています。旬の野菜をサラダで食べたり、蒸したり、茹でたり、煮たり、好きな調理法で大量に食べます。野菜スープや野菜ジュースもよいでしょう。飲み物の方が野菜をたくさん摂れるのでお茶代わりに飲むのもよいです。干しシイタケや干しマイタケを煮出したスープも肝臓の解毒にはとても合っています。
進行した肝臓がんの人がこのキノコのスープと野菜スープを大量に摂ることで、肝臓の炎症が消えて、諸症状が緩和したこともあります。数カ月命が持つかわからない、といわれたのが、もう10年以上になりますが、すっかり元気になってしまったのです。
三年番茶やハーブティーも口に合うものをたくさん飲んでもよいでしょう。
マクロビオティックを10年以上続け、B型肝炎のキャリアが消えたという人もいます。一般的にはB型もC型も一度罹ると、発症はしなくてもキャリアは消えない、ということになっています。しかし、実際に消えた人がいるのです。
無双原理は「変わらないものはない」という原理です。変化の原理です。この世は絶対のない世界です。常に「うつりかわる」世界です。
要は、B型肝炎ウィルスが住めない肝臓になればいいのです。肝臓はとても活発な代謝の良い臓器です。食養指導の経験上、肝臓の病気は治りやすい、ということを実感しています。肝炎も肝硬変も肝臓がんも食養で治った人がとても多いのです。
肝臓の病気のほとんどが動物性食品の摂り過ぎですから、肝臓の食箋は、穀物菜食が一番です。肝炎に関しては特に、一切の動物性食品を摂らないことが大事です。
動物性食品や添加物食品から作られた細胞が肝臓から消えれば、肝炎ウィルスは肝臓に必要ありません。肝炎ウィルスは肝臓の毒素を浄化しようとして存在してくれているのですから、有り難い存在です。自分の体に合ったマクロビオティックを根気よく続けていれば肝炎のキャリアも消えることを、その方は証明してくれたのです。